皆さんは飲食業界ホワイト度ランキングなるものをご存知でしょうか?
飲食業界で働くとなった時に気になるのが『ブラック企業?ホワイト企業?』だと思います。
飲食業界で約8年働いていた僕としても非常に興味深いので、飲食業界ホワイト度ランキングというのを見てみましたが、感想は『結局ブラックじゃん』
そんな飲食業界ホワイト度ランキングから気づいた飲食業界に蔓延るブラック感を見ていきましょう。
飲食業界ホワイト度ランキングとは?
あらすじとして飲食業界ホワイト度ランキングは、株式会社Vorkersが運営する企業リサーチサイト『Vorkers』が2017年に発表した記事、指標です。
社員クチコミでわかる会社のリアル。昨今特に人が集まらないとされている飲食業界。2015年以降にVorkers(現:Ope…
残業時間、有給休暇消化率、待遇の三つの項目から満足度100点を限度とし算出したものをランキング付けしています。
Vorkersで発表されている飲食業界の平均残業時間は48時間、有給休暇消化率26.7%、待遇の満足度2.7だそうです。
果たしてホワイト企業となる飲食店は何なのか?
気になるホワイト度ランキング一位は….
気になるホワイト度ランキング一位は株式会社アレフが運営している飲食店、びっくりドンキーです。
ホワイト度73.28 待遇の満足度が3.40 平均残業時間18.3時間 有給休暇消化率61.0%。
飲食業界平均と比べても残業時間は30時間も少なく、有給休暇消化率は約40%高く、満足度も0.7高い結果となっています。
口コミを見てみると2017年に投稿された方々の口コミは『福利厚生、法令遵守、残業代』のワードが多く、対応の厚さがうかがえますが2018年現在の口コミを見ると”社長?が変わった事でホワイトではなくなった”という意見が見え隠れしています。
ランキングで見るとびっくりドンキーに次いでスターバックスコーヒー、株式会社日本エンタプライズ、株式会社松屋フーズ、中にはマクドナルドや王将フードサービスもランキングインしています。
意外とメジャー所の飲食店がランキングインをしているのに驚きました。
全体で見ると微妙じゃない?
飲食業界ホワイト度ランキングの中で一位を取ったびっくりドンキー、飲食業界には珍しい有給休暇消化率61%。
有給休暇がほぼ取れないと言われる飲食業界の中で6割を超えている事は『飲食業界』としてはすごい方だと思います。
ですが、よくよく考えれば業界全体で見ても低くない?と感じました。
実際に全体で見てみましょう。
比較するデータは2018年ですが、まあ現在を見る事になるので良いんじゃないでしょうか。
参照するデータはこちら。
参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/209145?page=5
業界全体の一位は2017年に続いてホンダの有給休暇消化率99.6%。ほぼ全員の人が1年に取得する有給休暇を消化している事になります。
びっくりドンキーの有給休暇消化率61%は何位になるのか?というと…..
参照元:https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_40
……………………………..ランク外です。
300社までで300位が旭精機工業、IDEC、東京エレクトロンの62.8%でした。
250位から300位までの%重複が厚く、憶測ですがびっくりドンキーがランクインする順位は500位くらいだと考えられます。
飲食業界ホワイト度ランキング一位の有給休暇消化率60%は全体で見ると500位前後と考えると、やはり飲食業界はブラック企業なんじゃないか?と思います。
飲食業界ホワイト度ランキングの話に戻り、25位までの中で残業時間が20時間以内の会社はジェイアール東海パッセンジャーズ、アレフの2社、待遇の満足度が3点以上の会社がアレフ、シャノアール、鳥貴族の3社しかありません。
そんな中で飲食業界ホワイト度ランキングにランクインしてるんですよ?逆に言えばそれより酷い残業時間、待遇の満足度、有給休暇消化率が蔓延っている事になります。
待遇の満足度3.4、有給休暇61%で一位が取れてしまう飲食業界のブラック差、過酷さがうかがえると思います。
そもそもホワイト度ランキングと言いながら待遇の満足度が1.9の株式会社エスエルディーが14位にランクインしている事自体あり得ない話になりますしその他のほとんどの企業が2.7以下でランクインしている事が異常な状態でしょう。
実際に8年働いていた中で有給休暇は取れた事がありませんし、残業時間も100時間越えは当たり前、福利厚生も整っておらず『辛い』しか感情になかったのを覚えています。
それぐらい過酷な業界であり、ホワイト度ランキングといっても『飲食業界の中』ではマシという意味でしかありません。
ランクインしている会社の中には不当解雇や労働で問題を起こしている会社もいますね。
有名なのが12位の株式会社王将フードサービスでしょう。
王将の研修動画は話題にもなりました。
実際こういった研修を行っている会社は飲食業界なら結構います。
僕が働いていた会社もセミナーの時なぜかみんなで輪になって無理やり笑ったり元気がないとセミナーが終わらない等、体育会系の研修が多数ありました。
そんな企業が飲食業界ホワイト度ランキング12位にランクインする程、飲食業界は従業員に対する意識が低いとも読み取れます。
他にもランクインしていて残業時間が50時間以上の会社がオリジン東秀株式会社52.8時間、株式会社あきんどスシロー53.5時間、株式会社グローバルダイニング59時間、株式会社エスエルディー53時間。
有給休暇消化率が20%以下の日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社15.8%といった企業が飲食業界ホワイト度ランキングにランクインしている状況で突っ込みどころ満載。
先ほども言いましたが、飲食業界ホワイト度ランキング=飲食業界まだマシ度ランキングになってしまっているので、過酷さ、ブラック差は結局変わらないと考えられます。
飲食業界の就職は”強い気持ち”と”覚悟”が必要
飲食業界ホワイト度ランキングを見てブラック感に気づいた!!という内容で見てきましたが、飲食業界自体の就職に関しては”悪い”とは言いませんし、僕自身8年ほど働いて思ったのが『飲食業界に仕事している人は強い気持ちと覚悟を持っている』と感じました。
生半可な気持ちで飲食業界に飛び込んだら足元をすくわれます。それほど過酷な労働条件に同意して働く事になりますし、それに見合う給料を貰える事は珍しいと思います。
飲食業界に就職するかもしれない人は今一度考えなおして『やっていけるかどうか』しっかりと見直した方が良いでしょう。