飲食店はなぜ長時間労働が常識になっているのか?働いてわかった現場の闇

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飲食店で働くといえば、誰でもイメージできるのが長時間労働。

一般世間で働く時間が10時間でも「長い」と言われるのに対し、飲食店で10時間はザラ、営業時間が長いお店なら15時間、果ては24時間働かされる場所も少なくありません。

 

労働基準法をみてみると1日8時間以上は労働してはいけませんと記載されています。

しかし、飲食店で働いていると8時間以内に帰れるほうが珍しい。

実際に働いていて、月の平均労働時間は400はゆうにこえた事もあります。

 

過労死ラインを余裕綽綽で超え、生と死の間で働かされているわけですが、飲食店はなぜ長時間労働が常識になっているのでしょうか?

そして、常識となった長時間労働は違法でないのか?

今回はお伝えします。


目次

飲食店が長時間労働はなぜ常識化しているの?

飲食店の長時間労働が当たり前のように行われる理由の一つは、人件費と売上のバランスが挙げられます。

そりゃ売上が笑えるくらいあれば、正社員数に余裕を持たせ遅番早番で交代制かつ残業する事なく、働きやすい環境づくりが行えるでしょう。

 

しかし、売上の中には

  • 店の純利益
  • 人件費
  • 減価償却費
  • 水道光熱費

といった固定費と変動費の支払いがあります。

仮に1店舗の売上が360万円あっても、人件費や水道光熱費等々支払ってしまえば店自体に残る売上が1万円もない、なんて飲食店も少なくないのです。

また、変動費である水道光熱費を節約した所で、従業員に還元されるものではありません。

 

そんなかつかつな状況で果たして従業員は補充できるでしょうか?ましてや近年アルバイトの時給が上がり続けているのに対し、正社員の給料が変わらない逆転現象が起きています。

 

必然的に正社員数は少なく、1人1人の労働時間は長くなってしまいます。

正社員という削れる所を数は狭く労働時間は深くする、が飲食店の通例といえます。


長時間労働の実態は法の抜け穴で隠されている

実際に働いてみて感じたのが、長時間労働を労働基準監督署に言われても大丈夫なように法の抜け穴で隠されているのが実態です。

一つの例はシフトに組まれている「固定残業代」の存在です。

 

これから働く人や大学生で就職活動をしている人の残業のイメージは

  • 仕事が終わらない、終わっていないから残業する
  • 残業代が出ないと生活できない

の色々な背景があって残業を余儀なくされますが、飲食店は既にシフトに残業が組み込まれている「固定残業代」というものが存在します。

 

先ほど言ったように売上が笑えるくらいあれば、従業員の補充と環境作りが可能です。

しかし、チェーン店や小規模店でも正社員数はギリギリまでカットしていて、その分正社員の長時間労働が課せられている状態です。

 

固定残業代は簡単にいえば基本給20万に対し、固定で残業代を2万支給しますよというもの。

残業時間は30~40時間分の残業代が支給されているという取り組みです。

実際に僕が働いていた所は固定残業が取り入れられていて、シフト上に8時間+残業時間48時間が必ず組み込まれていました。

 

残業するから稼げるじゃん!!と思いますが、残業込みで17~18万くらいで割りに合いません。

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要は会社側が「残業代はちゃんと払っている」という法の抜け穴と名分欲しさに固定残業代を支給しているのです。

 

そもそも固定残業代なんてものは法律に存在せず、この仕組みを取り入れている飲食業界は違法や合法かスレスレの所で営業していると言ってもいいでしょう。

ブラック企業な飲食店はほぼ取り入れられていると言っても過言ではない。

 

そして、必然的に従業員一人一人が長時間労働を余儀なくされるわけです。

休憩時間はデータで管理されている

長時間労働の飲食店、でも休憩時間は労働基準法で決まっています。

8時間を超える労働の場合最低でも1時間は休憩を取らないといけません。

 

しかし、実際に飲食店に食べに行った時、休憩をしている風景を目の当たりにしませんよね?

バックヤードがの有無なしに、休憩時間がほぼなく賄いを食べて終わりとか自分の時間がないまま労働している飲食店が多いのが実態です。

では休憩時間をどう管理しているか?というとシフトのデータで管理されています。

 

実際に働いていた飲食店では、どれだけ働いても10時間以上の労働にならないように休憩時間が管理されていました。

例えば朝9時に出勤し夜12時に退勤とします。

単純計算で労働時間は15時間、しかし実態は5時間休憩をとっていて10時間労働しているようにシフトが管理されていました。

 

実際休憩できる時間は15分くらいで、4時間45分タダ働きしている計算です。

タイムカード自体はあるものの、正社員が休憩入等を押すことはありません。

 

データに残っていれば、労働基準監督が調査に来てもバレませんし証言しようものなら退社を余儀なくされると思います。

まさに法の抜け道です。

飲食店の長時間労働は違法でないのか?

長時間労働自体、完全に違法です。

しかし、労働基準法に通報したり発覚されにくいのが現状です。

 

その一つの理由に、働いている正社員が「どうせ他の飲食店も同じ」と洗脳されている事が挙げられます。

他の飲食店を見たことがない人が飲食店に入社した際、何の疑いもなく会社の教育に洗脳されてしまいがち。

 

他の会社に転職した事がないばかりに、井の中の蛙状態に陥り長時間労働でも「仕方ない」と考えている正社員が多いのです。

実際働いていて、上司がよく言っていたのが

  • どこの飲食店もやっている
  • 仕事があるだけでも感謝
  • 若いうちに慣れておけば後が楽

と他の会社を知らない、踏み出して見なかったばかりに会社脳が染み付いてました。

どんな違法労働でも、働いている従業員が当たり前だと感じてしまうと発覚することは難しい。

 

本当に嫌な人はすぐ辞めてしまいますからね。

 

飲食店の労働者がおとなしいor無知、法律を知らない人が多い

違法な長時間労働も、飲食店で働いている労働者がおとなしいか法律を知らない事も挙げられます。

 

飲食店で働く人が労働基準法とか法律関連を勉強していると思いますか?

勉強しているなら、飲食店以外の業界で働くと思いますし、飲食店に入社する人は中卒~と学歴が様々です。

本社勤務の経理係とかでギリ法律を知っている程度だと思います。

 

となれば、当然会社の言っているのが正しいと判断して法律関連では負けてしまう、発覚しても働いていた会社は正しいことをしていたと信じてやまない。

 

過労働で過労死したとか問題が起きないと労働者は権利を主張することは少ないのです。

労働基準法の違反罰則が弱々しい

そもそもの話で、発覚して通報して違反だと労働基準監督に言われても罰則が弱々しすぎてあてにならない事も挙げられます。

 

色々な罰則があるわけですが、労働時間関連での罰則は

6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金

なだけです。

 

たったの30万円以下の罰金で、違法労働は解決させられてしまうって事です。

これ+で飲食店で働いている人が嫌になって辞めてしまえば通報される事も無くなりますし、長時間労働の実態が会社外に出る事がないのです。

 

むしろ洗脳されすぎて実際にいた社員で

「今まで大変な仕事ばかりでしたが、お世話になりました」なんて美化する社員もいれば

「長時間でも人のつながりとか食わしてもらっていることに感謝」とかほざく社員もいるわけで

 

違法労働がなんなのか、長時間労働がなぜダメなのか考えずに辞めたり働き続けている人がいるのがザラです。

 

違法でありながらも、労働者が無知、会社に洗脳されているトリプルパンチで長時間労働=仕方ないと考えて常識化しているのです。

そうは言っても仕方ない…と考えている人へ

そうは言ってもあなたは仕方ない、訴えると言っても人間関係をぐちゃぐちゃにしたくない、お世話になった会社に迷惑をかけたくないと思っているでしょう。

恩を仇で返したくないと考えるのは誰でもそうでしょう。

 

しかし、そのままズルズルと会社で働き続けていれば、長時間労働により会社が倒産するかあなたの体が倒産するかの根性勝負になってしまいます。

 

長時間労働が問題になり、働き方改革だなんて言っているのに残業代も固定だったり法律を守らない会社で働いていても良いことはありません。

体は資本、ダメになっても会社は保証してくれません。

実際に僕はうつ病になりましたが、会社の決断は休職ではなく懲戒解雇でしたよ….。

 

そうならない為にも、今すぐ転職しなさい!と言いませんが、気持ちが楽になるように相談してもらえる所でゆっくりと検討してみてはどうでしょうか?

転職エージェントならあなたの希望条件や今の会社の不満、意見などを聞いてあなたにあった仕事探しも手助けしてもらえますよ。

 

友達とかとは違う人に聞いてもらうだけでも少しスッキリすると思います。

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