有給休暇と言えば、半年以上の勤務を継続する事で付与される権利です。休日だが給料が発生する日として扱われます。
しかし飲食店、飲食業界では有給休暇が取れない、取らせない、そもそも有給休暇がない、なんてのが惜し通ってしまっている業界です。
なぜ飲食店は有給休暇が取れないのか?働いたとしてどうすれば有給休暇を消化する事が出来るのか?実際にアルバイトand正社員含め8年飲食店で働いた僕が実際に有給休暇を消化した方法を紹介します。
なぜ飲食業界は有給休暇が取れない?
まず飲食業界がなぜ有給休暇が取れない状況に陥っているのか?を見ていきましょう。
常に人手不足
飲食業界はいわば”最底辺の仕事”であり、給料に見合わない若者に不人気の多忙な仕事です。
僕が働いていた所は一か月の労働時間は平均240時間をデータ上の目安とし、実質労働時間は400時間は毎月ありました。
労働時間が増えてしまう原因として人手不足があります。だが、働いていた飲食業界の人手不足は考え方が違い、アルバイトは補充されるがアルバイトに全ての仕事を任せられる様にするのではありません。
つまり正社員が補充されないと仕事が進まない。しかし補充される事もなく店舗としては常に人手不足で回している状態になります。
これには”正社員一人当たり=売上○○万円”が許容範囲として想定されていて、各店舗の売上から計算され、正社員の数が決められているわけです。(一人当たり240万円なら毎月480万円の店舗=正社員二人だけで固定)
このような状態だと当然有給休暇は取れるわけもなく、取ろうものなら 周りの負担が~、お前だけ良いな~ と今後ずっと嫌味を言われる事になります。
有給休暇=悪者になるきっかけなのです。
そもそも休みが少ない
飲食業界は他の仕事と比べても驚くほど休みが少ないです。僕が働いていた場所は毎月5~7日あったが、その休みの内2日は会社行事に強制参加しないといけない為、実質3~5日でした。
休みが少ない=疲労が溜まり、抜ける事がありません。疲労が溜まると一人当たりの作業効率が下がります。すると遠回しに他の人との連携で仕事を進めていく事になります。
その中で正社員の誰かが有給休暇を取ろうとするなら、先ほど言った店舗の売上=正社員の数理論が存在する為、正社員一人当たりの仕事量が増え、最悪店が崩壊しかねません。
もともと休みが少ないのに、有給休暇を取るなんて”偉そうでわがまま、思いやりがない”なんて言われた事もありましたね。
休みが少ない=有給休暇という概念は悪なのでしょう。
シフトを作っている人が”店長”
シフトは毎週作る店舗と毎月作る店舗があります。
僕が働いていた場所は毎週作る店舗だったのでそちらの話となります。
シフトを作っている人が店舗によって”中堅社員”か”店長”が作っていました。
その中で店長がシフトを作っている時は
- 好きな時に休みは取れない
- なぜか書いている本人は有給休暇を取る
- ほぼ常に朝から閉店までのシフト
が非常に多かったです。
シフトを作っている本人は自由に店のホールスタッフ、キッチンスタッフを希望シフトで作成する事が出来る為、他人が有給休暇を取る時は理由や根拠をしっかり聞くが本人が有給休暇をとる時は絶対何も言いませんでした。
これが”中堅社員”ならどうでしょう?有給休暇をとるという概念は出ないと思います。
シフトを作って店長がチェックをするので有給休暇の日を入れたらダメ!!って言うでしょう。
つまりシフトを作っているのが店長だったので、平社員は有給休暇が取れないがシフトを作っている店長は毎月二日は有給休暇を取っていました。意味不明
会社ルールで取れない
有給休暇は入社後6か月継続して勤務し全労働日の8割以上出勤した場合、年間10日間を与えなくてはいけない、となっています。
しかし、僕の働いていた飲食業界は、入社後”2年経たないと有給休暇が使えない”という会社のルールがありました。
2年経たないと有給休暇が使えない=会社が2年も続けられるかどうかを見極めているという意味もあると思います。
しかし会社のルールとはいえ2年も有給休暇が使えないのは意味不明ですね。飲食業界はこういった”会社ルール”が多いと思います。
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飲食店で有給休暇を取る方法
常に人手不足、休みが少なすぎる、2年以上勤務で有給休暇が使えない様な飲食店でも僕は”2年以内”に有給休暇を消化させる事が出来ました。
どうやって消化したのか?少々強引ですが紹介します。
交通事故に会う
かなり強引ですが、入院するレベルの交通事故に会った事で僕は有給休暇を使う事が出来ました。
意図的ではないですが、相手の一時停止無視で突っ込まれてバイクから一回転、救急車に運ばれて入院となりました。
足が動かせない程の痛みでしたが全治1週間の打撲で済みました。
たった一週間の入院だが僕にとって『長い休暇で良いな』とゆっくりくつろげましたね。
飲食店によっては有給休暇にしてもらえない場合もあるので、仮に交通事故が起こった場合どうなるのか?聞いていた方が良いでしょう。
インフルエンザにかかる
インフルエンザにかかってさえすれば強制的に休みになるので有給休暇を消化できるようになります。
しかもインフルエンザは注意してても誰にでも発症するウイルスなので、ある意味インフルエンザ=ブラック企業の有給休暇消化の一番の理由と言えます。
だが、飲食店によってインフルエンザも有給休暇として取り扱ってくれない場合があります。
僕が働いていた場所の入って間もない正社員がインフルエンザになって5日間休む事になったが、3日間有給休暇+2日普通の休日扱いで取り扱われていたので注意。
ノロウイルスにかかる
これもインフルエンザ同様に誰でも起こり得る病気で有給休暇を消化する方法です。
僕は発症した事がないが、ノロウイルスになると店自体も2日間消毒休業を起こす場合がありアルバイト含め他の正社員も巻き込む形となります。
ノロウイルスになった本人は有給休暇を消化して家に謹慎となります。ノロウイルスは生牡蠣を食べればなりやすいので、有給休暇を強制的に取りたい時の最終奥義と言えるでしょう。(かといって生牡蠣を進んで食べない様に)
(まとめ)飲食店の有給休暇は仕方ない場合でしか取れないわ
飲食店の有給休暇が取れない理由と消化する方法を紹介しましたが、有給休暇を消化する場合は交通事故やインフルエンザといった『もうどうしようもない』状態に陥らないと消化させてもらえないのが現状だと思います。
それぐらい飲食業界において有給休暇という存在は会社からすれば癌の存在、当然組織的に有給休暇を消化する人を悪者扱いしたくなるのでしょう。
飲食業界で働いたら、有給休暇の消化は期待しない事です。
最悪あなたが退職する時にしっかり記録し裁判をかけるのも良いでしょう。
泣き寝入りだけは避けたいですね。
2019年4月より年10日以上の有給休暇の権利がある従業員について有給休暇最低5日以上取得する事が義務化されます。「日本人は働きすぎ」と言われているほど労働時間が長く、休めない会社員も多い中での有給休暇義務化は非常にありがたい話です[…]